呟きたいときくるところ
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シャンクスの片腕がなくなり
ルフィが麦藁帽子を受け継いだ、あの日
花もまた、覚悟をしていた
「おーい、花!おめぇどこにいくんだ?」
息を切らして慌てながらこちらに向かってきたルフィを目にし、立ち止まる。
肩に担いでいた小さな荷物を下に降ろした所で、ルフィが追いついてきた。
「あら、ルフィ」
「あら、じゃねぇだろー!
一体どこ行く気なんだよ?
じっちゃんが心配してたぞ」
「ごめんね、って伝えておいてくれる?
私、もうこの村には戻ってこないつもりだから」
笑って、そう告げる花を見て、ルフィが真顔になる。
少し考えると、ルフィはまた口を開いた。
「・・海へ出るのか?」
「それしかないと思わない?
ここは小さすぎて、私はもういられないの」
「じゃあ、海賊になるのか?」
「わからない。
海賊になりたくて、海に出るのではないもの」
「・・・じゃ、何でだ?」
心底不思議そうに問われて、笑う。
彼の頭にはそのことしかないのがわかって、少し可笑しくなった。
「何だぁ?」
花が応えず笑っているのを見て、ルフィが首を傾げる。
笑いながら、もうこの仕種を見られるのは今だけなのだということが、不意に胸を突いた。
笑みを引っ込め、答えを口にする。
「私の居場所を探さなくてはならないの。
だから、外へ行く」
「・・・何でだ?
ここだって、花の居場所じゃねぇか」
「ダメなのよ、ルフィ。
ここは暖かすぎて、居心地が悪いの」
眉尻を下げて笑う花の顔は、何故だか泣きそうに見えた。
それ以上何か言うことも憚られて、ルフィは口を噤んだ。
その姿を見て、花は降ろしていた荷物を持ち上げ、背負う。
くるりと反転しルフィに背を向けると、最後に一言告げて、歩き出した。
「これでさよなら、じゃないわ。
私がそれを願っていてもね」
ルフィがその意味を図りかね、首を傾げているうちに、花の姿は小さくなってしまった。
後ろから見たその華奢な背が真っ直ぐ伸びているのを、ルフィはただ見つめる。
花の姿が一瞬霞んだように見え、ルフィは黙って麦藁帽子を目のところまで下げた。
その後花の言葉通り再び相見えるのは、まだ先のことだった。
ルフィが麦藁帽子を受け継いだ、あの日
花もまた、覚悟をしていた
「おーい、花!おめぇどこにいくんだ?」
息を切らして慌てながらこちらに向かってきたルフィを目にし、立ち止まる。
肩に担いでいた小さな荷物を下に降ろした所で、ルフィが追いついてきた。
「あら、ルフィ」
「あら、じゃねぇだろー!
一体どこ行く気なんだよ?
じっちゃんが心配してたぞ」
「ごめんね、って伝えておいてくれる?
私、もうこの村には戻ってこないつもりだから」
笑って、そう告げる花を見て、ルフィが真顔になる。
少し考えると、ルフィはまた口を開いた。
「・・海へ出るのか?」
「それしかないと思わない?
ここは小さすぎて、私はもういられないの」
「じゃあ、海賊になるのか?」
「わからない。
海賊になりたくて、海に出るのではないもの」
「・・・じゃ、何でだ?」
心底不思議そうに問われて、笑う。
彼の頭にはそのことしかないのがわかって、少し可笑しくなった。
「何だぁ?」
花が応えず笑っているのを見て、ルフィが首を傾げる。
笑いながら、もうこの仕種を見られるのは今だけなのだということが、不意に胸を突いた。
笑みを引っ込め、答えを口にする。
「私の居場所を探さなくてはならないの。
だから、外へ行く」
「・・・何でだ?
ここだって、花の居場所じゃねぇか」
「ダメなのよ、ルフィ。
ここは暖かすぎて、居心地が悪いの」
眉尻を下げて笑う花の顔は、何故だか泣きそうに見えた。
それ以上何か言うことも憚られて、ルフィは口を噤んだ。
その姿を見て、花は降ろしていた荷物を持ち上げ、背負う。
くるりと反転しルフィに背を向けると、最後に一言告げて、歩き出した。
「これでさよなら、じゃないわ。
私がそれを願っていてもね」
ルフィがその意味を図りかね、首を傾げているうちに、花の姿は小さくなってしまった。
後ろから見たその華奢な背が真っ直ぐ伸びているのを、ルフィはただ見つめる。
花の姿が一瞬霞んだように見え、ルフィは黙って麦藁帽子を目のところまで下げた。
その後花の言葉通り再び相見えるのは、まだ先のことだった。
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あのあと
黄猿たちに追い詰められ
絶体絶命だったルフィたちは
バーソロミュー・くまによって
命からがら、どこかへちりぢりに飛び立っていった
「・・・・これは・・見過ごせないねぇ・・・」
黄猿がくまを見ながら、ぽつり、呟く。
王下七武海であるくまの思わぬ裏切りに、政府はどのように反応するだろう。
また、父と兄を傷つけられたあの天竜人の娘は、どうするのだろう。
何か考えているのか、冥王も金太郎も花も、言葉を発することなく。
ただ花だけが、1人その場を後にした。
行き先はわかっているのだから、焦ることはないのだ。
でも、何かやるせない感で苛まれている心を持て余していた。
人道的でない天竜人の奴隷への振る舞いも。
彼らが祖先の功績や血に驕る様も。
黄猿やパシフィスタの無情なまでの攻撃も。
いつもいつも、嫌というほど、今まで見せ付けられたものだったのに。
理解していたはずのものだったのに、こうまでも愚かしいものだったかと。
「・・・苦しい、」
ただ知識として頭の中にあっても、理解はしていなかったのかもしれない。
目の前で何度見せ付けられた行為によって、いつまでも苦しい思いをする。
それは怒りや恨みのために動くことが出来ない不満からか。
それとも、理不尽なものを見せ付けられることの悲しさからか。
どちらにせよ、花はただその感情を己のうちで持て余すしかないのだ。
なぜなら、花もまた海軍に飼われている身なのだから。
「エース・・・」
此方の牢獄で刻一刻と命を削る彼の人を思い浮かべ、頭を垂れる。
己に力がありながら、何かを助けることすら出来ない。
花は溢れる涙を拭うことすらせず、ただ血が出るまで唇をかみ締めた。
「花ーーーーーーーーーーーーーーー!!!」
媒介であるピアスを通して、花を呼んだ。
女ヶ島に飛ばされてから騒動を経て、落ち着いたときふと思い出したのだ。
以前花からピアスを渡されて、何かあったとき、これに向かって名を呼べと。
ルフィは思い出した途端、素直にそれを実行した。
思い切り叫んだあと、そのまま数秒待つ。
空を見上げていると上空に黒い点が浮かび、やがてそれは人型となって舞い降りてきた。
「おう、花!」
「ルフィ・・・」
暢気に挨拶をすれば、花の眉間には盛大に皺が寄っていた。
見なくても険悪だとわかるその雰囲気で、無意識ではあるが咄嗟に歯を食いしばる。
その次の瞬間、ルフィは花の右ストレートによって吹っ飛んでいた。
「ぎゃーー!」
「きゃぁ、ルフィ!」
2人を見守っていたボア・ハンコックとその妹2人が驚いてルフィが飛んでいったほうを見る。
ルフィは見事に壁に突っ込んでいて、その下半身だけが壁からぶら下がっている状態だ。
ボアはぎっと花を睨むと、そのままの勢いで問い詰めた。
「そなた!いきなり現れて何をするのじゃ!」
凄みのある目で睨まれても、花は涼しい顔のまま。
ただし眉間の皺はより深くなった。
「・・・今のは、ルフィと私の問題であり、あなたには関係ないわ。
王下七武海、ボア・ハンコック・・・剥奪寸前のあなたには余計にね」
ピアスのついている左耳を押さえながら、花が応える。
ボアの眉間にも皺が寄り、2人の妹は激高した。
「・・ふふ、良い度胸じゃ」
「そなた!姉様に向かってなんて無礼なっ」
「知るか失せろ蛇姉妹」
がーんっっ
ボアの美貌にも欠片も揺るがない花に、ボアたちがショックを受ける。
花はそんな周りはスルーしてルフィの元へと歩いていった。
がらがらと瓦礫から体を引き出していたルフィもまた、花に気づき顔を上げる。
「何の用で呼んだのよ」
あんな馬鹿でかい声出さなくても聞こえるわよ馬鹿
そう小言を言いつつも、用件を聞く。
ルフィは真剣な顔になり、花に問うた。
「エースが処刑されるのは、知ってたか」
「知ってるわ」
「なら、俺たちと中枢へ行ってくれ!
エースを処刑されるわけにはいかねぇんだ」
「それをエースが望むとでも思ってるの?」
「・・だからって見殺しになんて出来ねぇだろ!」
そこまで聞いて、花は黙った。
ルフィもまた黙り花の返答を待つ。
暫しの間、皆が無言になった、と思った次の瞬間、また花が話し始めた。
「・・・・・それは、もう決めたのでしょう」
「あぁ」
「処刑時には、王下七武海の面々と海軍本部が脇を固める。
そこにいるボア・ハンコックもそうでしょう。
今までだってそうだけど、最重要人のエースを助け出すのは容易じゃない。
となると、先に大監獄へ行くことが重要になるけれど、それだって1人じゃ無理よ。
そこまではわかってるの?」
「・・・・・・・・・・・・・・・・あぁ」
「・・・あんまりわかってないのね。
でも、いいわ・・・どうせ覆せないのなら、着いていったほうが安心ね」
「じゃぁ、来てくれるのか!?」
「仕方なく、よ」
「良かった~!ありがとう、花!!」
安心して笑ったルフィとボアがその後の計画を立てるため歩き出す中。
花は1人空を眺めて、悲しげな目をしていた。
このままで終わるなんて、誰も思っていない。
ただ、エースが助けられることを祈るのみだった。
黄猿たちに追い詰められ
絶体絶命だったルフィたちは
バーソロミュー・くまによって
命からがら、どこかへちりぢりに飛び立っていった
「・・・・これは・・見過ごせないねぇ・・・」
黄猿がくまを見ながら、ぽつり、呟く。
王下七武海であるくまの思わぬ裏切りに、政府はどのように反応するだろう。
また、父と兄を傷つけられたあの天竜人の娘は、どうするのだろう。
何か考えているのか、冥王も金太郎も花も、言葉を発することなく。
ただ花だけが、1人その場を後にした。
行き先はわかっているのだから、焦ることはないのだ。
でも、何かやるせない感で苛まれている心を持て余していた。
人道的でない天竜人の奴隷への振る舞いも。
彼らが祖先の功績や血に驕る様も。
黄猿やパシフィスタの無情なまでの攻撃も。
いつもいつも、嫌というほど、今まで見せ付けられたものだったのに。
理解していたはずのものだったのに、こうまでも愚かしいものだったかと。
「・・・苦しい、」
ただ知識として頭の中にあっても、理解はしていなかったのかもしれない。
目の前で何度見せ付けられた行為によって、いつまでも苦しい思いをする。
それは怒りや恨みのために動くことが出来ない不満からか。
それとも、理不尽なものを見せ付けられることの悲しさからか。
どちらにせよ、花はただその感情を己のうちで持て余すしかないのだ。
なぜなら、花もまた海軍に飼われている身なのだから。
「エース・・・」
此方の牢獄で刻一刻と命を削る彼の人を思い浮かべ、頭を垂れる。
己に力がありながら、何かを助けることすら出来ない。
花は溢れる涙を拭うことすらせず、ただ血が出るまで唇をかみ締めた。
「花ーーーーーーーーーーーーーーー!!!」
媒介であるピアスを通して、花を呼んだ。
女ヶ島に飛ばされてから騒動を経て、落ち着いたときふと思い出したのだ。
以前花からピアスを渡されて、何かあったとき、これに向かって名を呼べと。
ルフィは思い出した途端、素直にそれを実行した。
思い切り叫んだあと、そのまま数秒待つ。
空を見上げていると上空に黒い点が浮かび、やがてそれは人型となって舞い降りてきた。
「おう、花!」
「ルフィ・・・」
暢気に挨拶をすれば、花の眉間には盛大に皺が寄っていた。
見なくても険悪だとわかるその雰囲気で、無意識ではあるが咄嗟に歯を食いしばる。
その次の瞬間、ルフィは花の右ストレートによって吹っ飛んでいた。
「ぎゃーー!」
「きゃぁ、ルフィ!」
2人を見守っていたボア・ハンコックとその妹2人が驚いてルフィが飛んでいったほうを見る。
ルフィは見事に壁に突っ込んでいて、その下半身だけが壁からぶら下がっている状態だ。
ボアはぎっと花を睨むと、そのままの勢いで問い詰めた。
「そなた!いきなり現れて何をするのじゃ!」
凄みのある目で睨まれても、花は涼しい顔のまま。
ただし眉間の皺はより深くなった。
「・・・今のは、ルフィと私の問題であり、あなたには関係ないわ。
王下七武海、ボア・ハンコック・・・剥奪寸前のあなたには余計にね」
ピアスのついている左耳を押さえながら、花が応える。
ボアの眉間にも皺が寄り、2人の妹は激高した。
「・・ふふ、良い度胸じゃ」
「そなた!姉様に向かってなんて無礼なっ」
「知るか失せろ蛇姉妹」
がーんっっ
ボアの美貌にも欠片も揺るがない花に、ボアたちがショックを受ける。
花はそんな周りはスルーしてルフィの元へと歩いていった。
がらがらと瓦礫から体を引き出していたルフィもまた、花に気づき顔を上げる。
「何の用で呼んだのよ」
あんな馬鹿でかい声出さなくても聞こえるわよ馬鹿
そう小言を言いつつも、用件を聞く。
ルフィは真剣な顔になり、花に問うた。
「エースが処刑されるのは、知ってたか」
「知ってるわ」
「なら、俺たちと中枢へ行ってくれ!
エースを処刑されるわけにはいかねぇんだ」
「それをエースが望むとでも思ってるの?」
「・・だからって見殺しになんて出来ねぇだろ!」
そこまで聞いて、花は黙った。
ルフィもまた黙り花の返答を待つ。
暫しの間、皆が無言になった、と思った次の瞬間、また花が話し始めた。
「・・・・・それは、もう決めたのでしょう」
「あぁ」
「処刑時には、王下七武海の面々と海軍本部が脇を固める。
そこにいるボア・ハンコックもそうでしょう。
今までだってそうだけど、最重要人のエースを助け出すのは容易じゃない。
となると、先に大監獄へ行くことが重要になるけれど、それだって1人じゃ無理よ。
そこまではわかってるの?」
「・・・・・・・・・・・・・・・・あぁ」
「・・・あんまりわかってないのね。
でも、いいわ・・・どうせ覆せないのなら、着いていったほうが安心ね」
「じゃぁ、来てくれるのか!?」
「仕方なく、よ」
「良かった~!ありがとう、花!!」
安心して笑ったルフィとボアがその後の計画を立てるため歩き出す中。
花は1人空を眺めて、悲しげな目をしていた。
このままで終わるなんて、誰も思っていない。
ただ、エースが助けられることを祈るのみだった。
「ねぇ、ルフィ・・・人は醜いよ」
だから、あたしたまに、全部壊してしまいたくなるの
幼い頃、ポツリと呟かれた言葉。
今になって、何故か思い出した。
「ニュー!!」
ハチが撃たれた。
馬鹿な天竜人の男に。
ルフィが怒って立ち向かおうとするも、ハチは黙ってやりすごせという。
「ハチは偉いね。
みんなこと、ちゃんと考えてる」
でもさ、
「やっぱりどうしても、殺したくなるよ」
愚かで生きる価値のないモノは、嫌いなの
壁によりかかって、湧き出る怒りを抑え付けながら、呟く。
両の腕を動かないように、と腕組みをして。
ここで怒りのままに行動してしまえば、ここの中にいる天竜人は皆殺しになる。
それだけは、流石に出来ない。
いくらあたしでも。
でも、ルフィはこの後、あの馬鹿を殴るんだろう。
後先考えず、怒りのままに。
そうしてしまえば、海軍の「大将」黄猿がここへ来る。
他の海賊達は、いい迷惑だろう。
けれど。
「本当は、殺してしまえばいいと思ってる、なんて」
甘いあの子達には聞かせられないね
ふふ、と幽かに嗤ったのは喧騒に紛れて、聞いた者はいなかった。
「あぁ、人の世はなんて煩わしい。
あの島へ帰りたいなぁ・・・ねぇ、ゴール」
だから、あたしたまに、全部壊してしまいたくなるの
幼い頃、ポツリと呟かれた言葉。
今になって、何故か思い出した。
「ニュー!!」
ハチが撃たれた。
馬鹿な天竜人の男に。
ルフィが怒って立ち向かおうとするも、ハチは黙ってやりすごせという。
「ハチは偉いね。
みんなこと、ちゃんと考えてる」
でもさ、
「やっぱりどうしても、殺したくなるよ」
愚かで生きる価値のないモノは、嫌いなの
壁によりかかって、湧き出る怒りを抑え付けながら、呟く。
両の腕を動かないように、と腕組みをして。
ここで怒りのままに行動してしまえば、ここの中にいる天竜人は皆殺しになる。
それだけは、流石に出来ない。
いくらあたしでも。
でも、ルフィはこの後、あの馬鹿を殴るんだろう。
後先考えず、怒りのままに。
そうしてしまえば、海軍の「大将」黄猿がここへ来る。
他の海賊達は、いい迷惑だろう。
けれど。
「本当は、殺してしまえばいいと思ってる、なんて」
甘いあの子達には聞かせられないね
ふふ、と幽かに嗤ったのは喧騒に紛れて、聞いた者はいなかった。
「あぁ、人の世はなんて煩わしい。
あの島へ帰りたいなぁ・・・ねぇ、ゴール」
いつだったか、言った覚えがある
誰に言ったのかは、わからないけれど
言ったことだけは、はっきりと
「楽しくなけりゃ、意味ないでしょ。
つまらないのは嫌いなの」
そういって、残酷な笑みを向けて。
相手の悲しげな顔を見て、心から愉しくて。
ただひたすらに、相手を嘲笑った気がする。
あたしは、とても残酷だった。
そしてそれは、いまも変わることはなく。
「やだなぁ、モリア・・逆ギレは感心しないよぉ?」
モリアが最後の大技を使う。
一千万人分の影を取り入れ、モリアは肥大する。
力もスピードも段違いになるほどの力は、確実にモリアの命を削った。
朝日が昇るまであと僅か。
日が昇るのが先か。
モリアが自滅するのが先か。
影を盗られたルフィやゾロ、サンジにロビンは微動だにしない。
覚悟はとうに、決めている。
あたしはその姿を見ても、何も思わなかった。
モリアが負けるのを知っていたから。
ただただ、愉しくて仕方なかった。
心から、清清した。
「見苦しいよモリア。
あんたの負けは確実・・悪あがきなんてみっともないね」
くすくすと、笑いがこぼれる。
「必死だねぇ・・・負け犬一歩手前だから?
でも・・・同情なんて、誰もしないよ。
あんたにはお似合いの姿だものね」
ルフィがギア・2を使う。
モリアの影を抜くために。
追い討ちをかけるために。
その身を、命を削る。
「モリアにそこまでする価値なんて、ないのに」
あたしは、残酷な心で、ただ見物した。
見てるだけ。
ただ、それだけ。
あたしが介入すれば一発で終われるものを、そうしないのは。
全てが壊れてしまえばよいと、心のどこかで思っているからなんだ。
誰に言ったのかは、わからないけれど
言ったことだけは、はっきりと
「楽しくなけりゃ、意味ないでしょ。
つまらないのは嫌いなの」
そういって、残酷な笑みを向けて。
相手の悲しげな顔を見て、心から愉しくて。
ただひたすらに、相手を嘲笑った気がする。
あたしは、とても残酷だった。
そしてそれは、いまも変わることはなく。
「やだなぁ、モリア・・逆ギレは感心しないよぉ?」
モリアが最後の大技を使う。
一千万人分の影を取り入れ、モリアは肥大する。
力もスピードも段違いになるほどの力は、確実にモリアの命を削った。
朝日が昇るまであと僅か。
日が昇るのが先か。
モリアが自滅するのが先か。
影を盗られたルフィやゾロ、サンジにロビンは微動だにしない。
覚悟はとうに、決めている。
あたしはその姿を見ても、何も思わなかった。
モリアが負けるのを知っていたから。
ただただ、愉しくて仕方なかった。
心から、清清した。
「見苦しいよモリア。
あんたの負けは確実・・悪あがきなんてみっともないね」
くすくすと、笑いがこぼれる。
「必死だねぇ・・・負け犬一歩手前だから?
でも・・・同情なんて、誰もしないよ。
あんたにはお似合いの姿だものね」
ルフィがギア・2を使う。
モリアの影を抜くために。
追い討ちをかけるために。
その身を、命を削る。
「モリアにそこまでする価値なんて、ないのに」
あたしは、残酷な心で、ただ見物した。
見てるだけ。
ただ、それだけ。
あたしが介入すれば一発で終われるものを、そうしないのは。
全てが壊れてしまえばよいと、心のどこかで思っているからなんだ。
あたしの手には、何もない様で
全てがあった
あたしの力は、この世界の能力者以上の規模を誇る
まさに化け物というにふさわしい代物だった
「ねーぇ、モリア・・・ルフィの影が欲しかったんだっけぇ?」
くすくすと笑いながら、一歩一歩近づく。
その背にあるクレイモアはそのままに、得物を手にすることもなく、無防備な姿で。
それでいて挑発するような口調の花に、ナミははらはらしどおしだった。
「ゾロも、サンジもロビンもナミもチョッパーもウソップも、フランキーも。
麦わらの一味の影全てを手に入れて、自分の手下にしたかったんだっけ?」
片手を軽く口元にやり、楽しげに微笑む。
その姿はまさに可憐な花そのもので、状況が状況でなければ、癒されたものが何人いただろう。
けれどその瞳は、見たものを凍らせるほどの冷たい闇を秘めていた。
「あんたには、分不相応だってのが、わかんなかったのね。
かわいそうに・・誰かに言われないとわかんないくらい馬鹿だったんだぁ」
あはは、と嗤う。
完全に馬鹿にされているのに、モリアは顔を真っ青にして黙っていた。
その光景にナミたちは何も言えず、ただなりゆきを見守るしかなかった。
「・・・ゲッコー・モリア」
花が、モリアの名を呼ぶ。
その声は先ほどとは違い、随分と低い。
聞くものの心臓を凍らせるのにはぴったりなほど、不穏な空気を纏っていた。
「あんたはことごとくあたしの大事なもんや欲しかったものをを掌中にいれてたの。
ねぇ、知ってたぁ・・・・・・・・?」
地を這うような、恐ろしい声。
否、優しくささやいているだけなのに、声に秘められた意味に。
聞いたもの全てが、戦慄した。
「し、しら」
「知らなかったで済むんなら、政府も海軍もいらないんだよぉ・・。
王下七部海なんてものの存在すらも、無意味だよねぇ?」
妙に間延びした声で、モリアの言葉をさえぎる。
口を挟むことは、誰にも出来ない。
「あたしが誰なんだか知ってしまっていることを、あの世で後悔しなさいな」
にっこり。
壮絶な笑みを浮かべて、死の宣告をした。
風が、つかの間凪いで、また吹き抜けていった。
全てがあった
あたしの力は、この世界の能力者以上の規模を誇る
まさに化け物というにふさわしい代物だった
「ねーぇ、モリア・・・ルフィの影が欲しかったんだっけぇ?」
くすくすと笑いながら、一歩一歩近づく。
その背にあるクレイモアはそのままに、得物を手にすることもなく、無防備な姿で。
それでいて挑発するような口調の花に、ナミははらはらしどおしだった。
「ゾロも、サンジもロビンもナミもチョッパーもウソップも、フランキーも。
麦わらの一味の影全てを手に入れて、自分の手下にしたかったんだっけ?」
片手を軽く口元にやり、楽しげに微笑む。
その姿はまさに可憐な花そのもので、状況が状況でなければ、癒されたものが何人いただろう。
けれどその瞳は、見たものを凍らせるほどの冷たい闇を秘めていた。
「あんたには、分不相応だってのが、わかんなかったのね。
かわいそうに・・誰かに言われないとわかんないくらい馬鹿だったんだぁ」
あはは、と嗤う。
完全に馬鹿にされているのに、モリアは顔を真っ青にして黙っていた。
その光景にナミたちは何も言えず、ただなりゆきを見守るしかなかった。
「・・・ゲッコー・モリア」
花が、モリアの名を呼ぶ。
その声は先ほどとは違い、随分と低い。
聞くものの心臓を凍らせるのにはぴったりなほど、不穏な空気を纏っていた。
「あんたはことごとくあたしの大事なもんや欲しかったものをを掌中にいれてたの。
ねぇ、知ってたぁ・・・・・・・・?」
地を這うような、恐ろしい声。
否、優しくささやいているだけなのに、声に秘められた意味に。
聞いたもの全てが、戦慄した。
「し、しら」
「知らなかったで済むんなら、政府も海軍もいらないんだよぉ・・。
王下七部海なんてものの存在すらも、無意味だよねぇ?」
妙に間延びした声で、モリアの言葉をさえぎる。
口を挟むことは、誰にも出来ない。
「あたしが誰なんだか知ってしまっていることを、あの世で後悔しなさいな」
にっこり。
壮絶な笑みを浮かべて、死の宣告をした。
風が、つかの間凪いで、また吹き抜けていった。