呟きたいときくるところ
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シャンクスの片腕がなくなり
ルフィが麦藁帽子を受け継いだ、あの日
花もまた、覚悟をしていた
「おーい、花!おめぇどこにいくんだ?」
息を切らして慌てながらこちらに向かってきたルフィを目にし、立ち止まる。
肩に担いでいた小さな荷物を下に降ろした所で、ルフィが追いついてきた。
「あら、ルフィ」
「あら、じゃねぇだろー!
一体どこ行く気なんだよ?
じっちゃんが心配してたぞ」
「ごめんね、って伝えておいてくれる?
私、もうこの村には戻ってこないつもりだから」
笑って、そう告げる花を見て、ルフィが真顔になる。
少し考えると、ルフィはまた口を開いた。
「・・海へ出るのか?」
「それしかないと思わない?
ここは小さすぎて、私はもういられないの」
「じゃあ、海賊になるのか?」
「わからない。
海賊になりたくて、海に出るのではないもの」
「・・・じゃ、何でだ?」
心底不思議そうに問われて、笑う。
彼の頭にはそのことしかないのがわかって、少し可笑しくなった。
「何だぁ?」
花が応えず笑っているのを見て、ルフィが首を傾げる。
笑いながら、もうこの仕種を見られるのは今だけなのだということが、不意に胸を突いた。
笑みを引っ込め、答えを口にする。
「私の居場所を探さなくてはならないの。
だから、外へ行く」
「・・・何でだ?
ここだって、花の居場所じゃねぇか」
「ダメなのよ、ルフィ。
ここは暖かすぎて、居心地が悪いの」
眉尻を下げて笑う花の顔は、何故だか泣きそうに見えた。
それ以上何か言うことも憚られて、ルフィは口を噤んだ。
その姿を見て、花は降ろしていた荷物を持ち上げ、背負う。
くるりと反転しルフィに背を向けると、最後に一言告げて、歩き出した。
「これでさよなら、じゃないわ。
私がそれを願っていてもね」
ルフィがその意味を図りかね、首を傾げているうちに、花の姿は小さくなってしまった。
後ろから見たその華奢な背が真っ直ぐ伸びているのを、ルフィはただ見つめる。
花の姿が一瞬霞んだように見え、ルフィは黙って麦藁帽子を目のところまで下げた。
その後花の言葉通り再び相見えるのは、まだ先のことだった。
ルフィが麦藁帽子を受け継いだ、あの日
花もまた、覚悟をしていた
「おーい、花!おめぇどこにいくんだ?」
息を切らして慌てながらこちらに向かってきたルフィを目にし、立ち止まる。
肩に担いでいた小さな荷物を下に降ろした所で、ルフィが追いついてきた。
「あら、ルフィ」
「あら、じゃねぇだろー!
一体どこ行く気なんだよ?
じっちゃんが心配してたぞ」
「ごめんね、って伝えておいてくれる?
私、もうこの村には戻ってこないつもりだから」
笑って、そう告げる花を見て、ルフィが真顔になる。
少し考えると、ルフィはまた口を開いた。
「・・海へ出るのか?」
「それしかないと思わない?
ここは小さすぎて、私はもういられないの」
「じゃあ、海賊になるのか?」
「わからない。
海賊になりたくて、海に出るのではないもの」
「・・・じゃ、何でだ?」
心底不思議そうに問われて、笑う。
彼の頭にはそのことしかないのがわかって、少し可笑しくなった。
「何だぁ?」
花が応えず笑っているのを見て、ルフィが首を傾げる。
笑いながら、もうこの仕種を見られるのは今だけなのだということが、不意に胸を突いた。
笑みを引っ込め、答えを口にする。
「私の居場所を探さなくてはならないの。
だから、外へ行く」
「・・・何でだ?
ここだって、花の居場所じゃねぇか」
「ダメなのよ、ルフィ。
ここは暖かすぎて、居心地が悪いの」
眉尻を下げて笑う花の顔は、何故だか泣きそうに見えた。
それ以上何か言うことも憚られて、ルフィは口を噤んだ。
その姿を見て、花は降ろしていた荷物を持ち上げ、背負う。
くるりと反転しルフィに背を向けると、最後に一言告げて、歩き出した。
「これでさよなら、じゃないわ。
私がそれを願っていてもね」
ルフィがその意味を図りかね、首を傾げているうちに、花の姿は小さくなってしまった。
後ろから見たその華奢な背が真っ直ぐ伸びているのを、ルフィはただ見つめる。
花の姿が一瞬霞んだように見え、ルフィは黙って麦藁帽子を目のところまで下げた。
その後花の言葉通り再び相見えるのは、まだ先のことだった。
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