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泣いて泣いて泣いて、泣きつかれた暁に、あたしは化け物へと成り代わる
覚悟を決めていたはずなのに、それは酷く恐ろしくて
混乱して、惑い、怯え、再び泣きながら力を暴走させた



覚悟なんて、最初からなかった

大事なモノを壊され、怒りと喪失感に苛まれた心を、どうすることも出来なかった
制御の仕方さえ知らずに手に入れた力は、全てを破壊してしまった
人も、森も、町も、そして緑豊かだった一国を

後に残ったのは泣き疲れた1人の化け物


心があるから、こんなことになるんだ

ふとそう思ったことから、無意識に心を閉ざした
目は光を失い、闇を見つめる
そうして化け物は自ずと悟り、そして決めた

あたしはここにはいてはいけないんだ
だから、なにもないところへいこう
だれもいないところへ
やみのせかいへ

そうすれば、皆怒らない


いくつき いくとせ 生きようとも
おまえに 時の流れは 関係ない
心の成長は 体の成長に 比例するよ
そしてその体は 時が来ねば成長しまい
何かが起こらねば おまえは永久にそのままだ

そう言っていた、あの男
自覚はしていなかったが、今はどうしても頭が働かない
けれど頭の片隅で幽かにではあるが、妙に納得する自分がいた

成長しない体と心
相反するように、髪や爪は伸び、知識は集まる
一所には、危険でいられなかった
どれだけの年月が過ぎようと、見た目がそのままだったから
長く生きた化け物の自分を、受け入れてくれる人は少なかった
それなのに、何も聞かずそばに置いてくれた、木こり

大事だった
初めて、ともに生きようとしてくれたヒトだった
何にも変えがたい、ただ1人のヒトだった

木こりが殺されたと知ったとき

こころが、いっしょに切られたのではないかと思ったほど
激しく、痛んだ


もう動かない
不器用に大きな手で頭をなでてくれることも
優しく微笑んでくれることも
抱きしめてくれる大きな体も
もう、ない

悲しいとか、寂しいとか
そういう感情が生まれるよりも前に
怒りが、芽生えた

ころしてやる
おなじめにあわせてやる
みな しんでしまえ
おまえたちなど いらない
みな きえてしまえ



止めようとは、何故か、思えなかった
ただ、すべてが終わった後は、酷い渇きに苛まれた
心が空虚だった

もう何もいらなかった
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