呟きたいときくるところ
×
[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。
ふわり、少女が地に降り立ち、やがてまた浮く
星の重力など微塵も関係ないかとでもいうように、その身は軽い
まるで羽のようにふわりふわりと風に遊ばれる様は、人には見えない
薄い金の髪、白く肌理細やかな肌
けぶるようなまつげ、その間から見えるけだるいげな薄紫の瞳
異様な妖しさを放つ少女は、何処か見るものに畏怖をもたらした
「・・・あい、ら?」
ハルカが小さく呟く
まるで、信じられないとでもいうかのように
確かにそれはわからないでもなかった
先刻までの少女は、皆と変わらぬただの人であったのに
「・・ハルカ、見て」
「え?」
「私、やっぱり、ヒトじゃなかったみたい」
淡々とした、感情の篭らない声
悲しみや苦しみは全て己のうちで押し殺してしまったかのようだ
感情が、表に出てきていない
否、なくなってしまった?
「私はこの世界のこと、ちょっとしか知らないよ
キャラや世界観、それも聞きかじったところだけ
エンディングは勿論わからないし、これからどうなるのかもさっぱり
でもね、ハルカ・・・私も一つだけ知ってることがあるのよ」
見ようによっては虚ろにさえ見える瞳で、ハルカを見つめるアイラ
激昂しているわけでも、脅されているわけでもない
ただ淡々と話すそのさまが、何故か恐ろしかった
「アイラ・・・」
「ハルカのこと、ちょっとだけ知ってるの
何でかは、言わないけどね」
「・・・いや、」
「ねぇ、ハルカ・・・何であれがこうまであなたに執着するのか、わかる?」
「嫌・・・お願い、言わないで」
「あなたとあれは、決して離れえぬ絆を持っているの」
「お願い、言わないで!」
ハルカが両の耳を押さえて、蹲る
その姿を、アイラはくり、と小首をかしげ、半分閉じられた目で見つめた
その身は未だふわふわと浮き沈みを繰り返しており、止まる傾向を見せない
まるでヒトと化け物の間で揺れ動く心中を表しているかのように思われた
「聞きたく、ない?
私が言わなくても、きっとあれが言うだろうけれど
聞かなくても、へーき?」
「いや、今はお願い・・・言わないで・・」
懇願するようにそう言えば、アイラは僅かに嗤って、言った
「いいよ、今は、言わない
でも運命は誰にも避けられない・・・覚えておいてね
私は世界の管理人、時が感知せぬ者」
そういい捨てて、アイラはすぅ、と空へ舞いあがっていった。
やがてその姿が見えなくなっても、ハルカは頭を抱えたままだった。
アイラのあの容貌も
かもし出す雰囲気も
発した言葉の意味さえも
全てが恐ろしく、ハルカを傷つけた
『弱いのは、嫌いなの』
幻聴か否か
かすかに聞こえたその言葉を、今は受け止められる気がしなかった
星の重力など微塵も関係ないかとでもいうように、その身は軽い
まるで羽のようにふわりふわりと風に遊ばれる様は、人には見えない
薄い金の髪、白く肌理細やかな肌
けぶるようなまつげ、その間から見えるけだるいげな薄紫の瞳
異様な妖しさを放つ少女は、何処か見るものに畏怖をもたらした
「・・・あい、ら?」
ハルカが小さく呟く
まるで、信じられないとでもいうかのように
確かにそれはわからないでもなかった
先刻までの少女は、皆と変わらぬただの人であったのに
「・・ハルカ、見て」
「え?」
「私、やっぱり、ヒトじゃなかったみたい」
淡々とした、感情の篭らない声
悲しみや苦しみは全て己のうちで押し殺してしまったかのようだ
感情が、表に出てきていない
否、なくなってしまった?
「私はこの世界のこと、ちょっとしか知らないよ
キャラや世界観、それも聞きかじったところだけ
エンディングは勿論わからないし、これからどうなるのかもさっぱり
でもね、ハルカ・・・私も一つだけ知ってることがあるのよ」
見ようによっては虚ろにさえ見える瞳で、ハルカを見つめるアイラ
激昂しているわけでも、脅されているわけでもない
ただ淡々と話すそのさまが、何故か恐ろしかった
「アイラ・・・」
「ハルカのこと、ちょっとだけ知ってるの
何でかは、言わないけどね」
「・・・いや、」
「ねぇ、ハルカ・・・何であれがこうまであなたに執着するのか、わかる?」
「嫌・・・お願い、言わないで」
「あなたとあれは、決して離れえぬ絆を持っているの」
「お願い、言わないで!」
ハルカが両の耳を押さえて、蹲る
その姿を、アイラはくり、と小首をかしげ、半分閉じられた目で見つめた
その身は未だふわふわと浮き沈みを繰り返しており、止まる傾向を見せない
まるでヒトと化け物の間で揺れ動く心中を表しているかのように思われた
「聞きたく、ない?
私が言わなくても、きっとあれが言うだろうけれど
聞かなくても、へーき?」
「いや、今はお願い・・・言わないで・・」
懇願するようにそう言えば、アイラは僅かに嗤って、言った
「いいよ、今は、言わない
でも運命は誰にも避けられない・・・覚えておいてね
私は世界の管理人、時が感知せぬ者」
そういい捨てて、アイラはすぅ、と空へ舞いあがっていった。
やがてその姿が見えなくなっても、ハルカは頭を抱えたままだった。
アイラのあの容貌も
かもし出す雰囲気も
発した言葉の意味さえも
全てが恐ろしく、ハルカを傷つけた
『弱いのは、嫌いなの』
幻聴か否か
かすかに聞こえたその言葉を、今は受け止められる気がしなかった
PR
この記事にコメントする。