呟きたいときくるところ
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あれから。
何故か甲斐の虎のもとで居候の身になってみる。
「いや・・今考えても何でこうなるのか全くわからないわけで」
「えー?だからお館様がいいって言ってんだからいいんだって」
「いや、ふつー警戒するよね?他国のスパイだったらどうすんのって」
「スパイなの?」
「違いますけど」
「じゃぁいいじゃん」
「・・・佐助と話してると疲れる私・・・・」
えー、酷いなー
そう言って笑う彼は、明らかに面白がっている。
あの日自己紹介をされたあと、咲は佐助の主の元へと連れて行かれた。
とりあえず、知らせなくてはならないからと、ついでに現物連れていこうということで。
大分アバウトかつ適当な佐助のペースに巻き込まれ、素直に連れて行かれた。
そこから主である幸村と会い、そのまた主である武田信玄とも会い・・。
何がどうなったかわからないうちに、居候が決まった。
信玄曰く、間者ではなく身よりもないならここに居ればいい、らしい。
懐が深いのか適当なのか、判断に迷う。
けれどこれから行くあてもないことは事実だったので、甘えさせてもらい今に至る。
「仕事ないの?佐助」
今は縁側で佐助と2人、ぼんやりと景色を眺めているところで。
秋の涼風が吹く中、ぽつぽつと話をしていた。
「今日は久しぶりに暇でさー、旦那も出かけちゃってるよ」
「見てなくていいの?幸さんすぐ迷子になるでしょ」
「いやいやいや、流石にそれはないでしょー。
ただ、急なお呼び出しがあれば連れてこないわけにもいかな・・」
「佐助、幸村を知らんか?」
「・・・捜しに行ってきます」
会話の途中で信玄が来て、上の台詞。
佐助は休日を満喫することなく、泣く泣く主を捜しに行った。
「いってらっしゃーい」
手を振って見送る。
とはいえ、彼は忍だから、あっという間に姿を消してしまった。
あとに黒い羽を舞わせて。
信玄は自室に戻り、咲は縁側に残る。
ここに居候となった今でも、咲に課せられたもの等はない。
言ってしまえば、やることなんてない。
咲は羽を手に取り、ここに来てからを振り返ってみた。
「思えば随分仲良くなったもんだ・・・」
はぁ、と小さくため息を吐く。
佐助も幸村も信玄も、随分気さくな人物だった。
初めこそ、歴史の人物らしいということに心底驚いたものだったけれど。
なんだか自分の知る歴史と少し、いや大分違うらしいということに混乱して。
そのうち考えるのが面倒になったため、今の環境を受け入れることにした。
何がどうなって~ということを考えてもきりがないし、第一無意味だから。
それにしても、咲の周りの人々は温かだった。
いきなり現れた不審な人物だというのに、主が認めたのだからと受け入れてくれて。
今では家族同然に扱ってくれるから恐縮してしまう。
「・・・敵じゃない、けど・・不審なのは変わらないのに」
彼らの温かさが嬉しくて、でも複雑だった。
私の存在は、彼らにどう影響するのだろうか。
ここに来た意味を、咲はずっと考えていた。
何故か甲斐の虎のもとで居候の身になってみる。
「いや・・今考えても何でこうなるのか全くわからないわけで」
「えー?だからお館様がいいって言ってんだからいいんだって」
「いや、ふつー警戒するよね?他国のスパイだったらどうすんのって」
「スパイなの?」
「違いますけど」
「じゃぁいいじゃん」
「・・・佐助と話してると疲れる私・・・・」
えー、酷いなー
そう言って笑う彼は、明らかに面白がっている。
あの日自己紹介をされたあと、咲は佐助の主の元へと連れて行かれた。
とりあえず、知らせなくてはならないからと、ついでに現物連れていこうということで。
大分アバウトかつ適当な佐助のペースに巻き込まれ、素直に連れて行かれた。
そこから主である幸村と会い、そのまた主である武田信玄とも会い・・。
何がどうなったかわからないうちに、居候が決まった。
信玄曰く、間者ではなく身よりもないならここに居ればいい、らしい。
懐が深いのか適当なのか、判断に迷う。
けれどこれから行くあてもないことは事実だったので、甘えさせてもらい今に至る。
「仕事ないの?佐助」
今は縁側で佐助と2人、ぼんやりと景色を眺めているところで。
秋の涼風が吹く中、ぽつぽつと話をしていた。
「今日は久しぶりに暇でさー、旦那も出かけちゃってるよ」
「見てなくていいの?幸さんすぐ迷子になるでしょ」
「いやいやいや、流石にそれはないでしょー。
ただ、急なお呼び出しがあれば連れてこないわけにもいかな・・」
「佐助、幸村を知らんか?」
「・・・捜しに行ってきます」
会話の途中で信玄が来て、上の台詞。
佐助は休日を満喫することなく、泣く泣く主を捜しに行った。
「いってらっしゃーい」
手を振って見送る。
とはいえ、彼は忍だから、あっという間に姿を消してしまった。
あとに黒い羽を舞わせて。
信玄は自室に戻り、咲は縁側に残る。
ここに居候となった今でも、咲に課せられたもの等はない。
言ってしまえば、やることなんてない。
咲は羽を手に取り、ここに来てからを振り返ってみた。
「思えば随分仲良くなったもんだ・・・」
はぁ、と小さくため息を吐く。
佐助も幸村も信玄も、随分気さくな人物だった。
初めこそ、歴史の人物らしいということに心底驚いたものだったけれど。
なんだか自分の知る歴史と少し、いや大分違うらしいということに混乱して。
そのうち考えるのが面倒になったため、今の環境を受け入れることにした。
何がどうなって~ということを考えてもきりがないし、第一無意味だから。
それにしても、咲の周りの人々は温かだった。
いきなり現れた不審な人物だというのに、主が認めたのだからと受け入れてくれて。
今では家族同然に扱ってくれるから恐縮してしまう。
「・・・敵じゃない、けど・・不審なのは変わらないのに」
彼らの温かさが嬉しくて、でも複雑だった。
私の存在は、彼らにどう影響するのだろうか。
ここに来た意味を、咲はずっと考えていた。
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