呟きたいときくるところ
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夢を見た
大分昔、私が小さいときの、懐かしい夢を
あの頃の私には、まだまだ世界は大きくて
全てが新しかったのに
今の私になってしまったのは、どこから?
光雲の行く末2
「・・・で、・・え・・れて参った?」
「あ~・・・って・・・きっと・・・・じゃない・・・か?」
「うむ・・・では・・・」
夢と現の間で揺れる意識が、ようやく現へと戻りかけた頃。
自分の近くで、何人かが話をしていることに気がつく。
若くはつらつとした、少年と青年の間にいるような声。
低く太い、年を経たような老年を思い起こさせる声。
まだ若い、けれど何処か大人びた印象を受ける声。
数からして3人だろうと、夢現の頭で考える。
ぼんやりとする意識はそのままに、面倒なのと心地よいのとで、ただその声を聞いていた。
「旦那、だって、女の子がぼろぼろで落ちてたら、ふつー拾うっしょ?」
「何を言うか佐助ぇ!女子がそうそう落ちているものか!」
「幸村よ、問題はそこではなかろう」
確かに突っ込むのはそこじゃない。
未だ覚醒しきれない頭で、千代は思った。
「佐助よ・・・この者が何者なのか、知っておるのか?」
「いやぁー、この娘さんが何なのかなんてわかりませんよー」
重く問いただされた声に、軽い調子で応える相手。
この調子の違いは何なんだろうと思いつつ、目を開けぬまま話を聞き続ける。
既に意識は徐々に浮上してきていて、目を開けてもいい状態にも関わらず、だ。
「佐助ぇ!」
「だーいじょうぶだって、旦那!」
「・・・ふむ」
傍らで言い争う若い2人を他所に、何故か納得したかのように呟く。
きっと腕を組んでたりするんだろーな、そう思うと、少し気分が浮かれた。
「良い、幸村。佐助のことじゃ、信用しても大事ないのであろう」
「おっ!流石お館様!」
「ぬううぅ、お館様、本当に良いのでございますか!?」
「旦那ぁー、いい加減諦めろって」
「佐助ぇえ!何を・・・っ」
「えぇい幸村!修行が足りん!!!」
ばきぃっ
若い声を途中で遮って、大きな声が部屋に響く。
次いで、直ぐに何かが吹き飛ぶような音がした。
あまりに唐突だったので、音に驚いて目を開け、更に惨状を理解できずに驚く。
自分が寝かされている和室のふすまが吹き飛び、赤い衣装を纏った人が庭に倒れている。
枕の横には、迷彩柄の忍らしき人に、仁王立ちした鬼のような中年の男性。
びっくりしすぎて、目が見開いたまま硬直してしまった。
「あちゃー・・・お館様、女の子びっくりして起きちゃいましたよ」
傍らの忍がこちらに気づき、苦笑いを浮かべる。
赤い髪?に角をつけた筋肉質な体にも、二度びっくりしている千代を見て、声をかけた。
「ごめんなー、大丈夫?これ、いつものことだから」
気にしないでいいからなー
そう軽く言われても、正直何とも言えずにいた。
これって普通じゃないよね、あり得ないよね、てゆーかここどこ?等と思考が入り乱れている。
そろそろ考えすぎて許容量を越えそうなところで、殴り飛ばされた人が戻ってきた。
ぱちくりとようやく瞬きをし始めた千代に目を留め、あっという間に真っ赤になる。
着ている衣装が赤なため(上半身は裸だが)、全身赤に見えた。
「うっ・・・!」
「真田の旦那はちょっと女の子に慣れてないから、気にしないでな」
「さ、佐助ぇえっ」
「ほんとのことでしょー、ほらほら、怒鳴らないでよ旦那、怯えてるじゃん」
「幸村よ!修行が足らん!!」
まるで3人揃うだけで、コントのようだ。
初めは圧倒されていた千代だが、だんだん慣れてきたのか、笑う余裕が出てきた。
「お、笑った。やっぱ女の子は笑ったほうがいいよー」
「う、うむ・・」
「ふむ・・そうじゃな」
3人が頷き、千代は照れ笑いを浮かべた。
自分を取り巻く状況はよくわからないままだけれど、少しは救いがあると思えた。
ようやく落ち着けたところで、自己紹介をされる。
端から、
幸村に仕える猿飛佐助
信玄に仕える真田幸村
みんなの大将武田信玄、らしい。
名前を聞いても、聞き覚えがあるくらいで実感が湧かないのか、すんなり納得してしまった。
「・・・それで、君の名前は?」
そう聞かれたとき。
初めて気づいた。
「・・・っ(声が出ない・・・?)」
いきなり難題にぶち当たってしまい、血の気が一気に引いていった。
大分昔、私が小さいときの、懐かしい夢を
あの頃の私には、まだまだ世界は大きくて
全てが新しかったのに
今の私になってしまったのは、どこから?
光雲の行く末2
「・・・で、・・え・・れて参った?」
「あ~・・・って・・・きっと・・・・じゃない・・・か?」
「うむ・・・では・・・」
夢と現の間で揺れる意識が、ようやく現へと戻りかけた頃。
自分の近くで、何人かが話をしていることに気がつく。
若くはつらつとした、少年と青年の間にいるような声。
低く太い、年を経たような老年を思い起こさせる声。
まだ若い、けれど何処か大人びた印象を受ける声。
数からして3人だろうと、夢現の頭で考える。
ぼんやりとする意識はそのままに、面倒なのと心地よいのとで、ただその声を聞いていた。
「旦那、だって、女の子がぼろぼろで落ちてたら、ふつー拾うっしょ?」
「何を言うか佐助ぇ!女子がそうそう落ちているものか!」
「幸村よ、問題はそこではなかろう」
確かに突っ込むのはそこじゃない。
未だ覚醒しきれない頭で、千代は思った。
「佐助よ・・・この者が何者なのか、知っておるのか?」
「いやぁー、この娘さんが何なのかなんてわかりませんよー」
重く問いただされた声に、軽い調子で応える相手。
この調子の違いは何なんだろうと思いつつ、目を開けぬまま話を聞き続ける。
既に意識は徐々に浮上してきていて、目を開けてもいい状態にも関わらず、だ。
「佐助ぇ!」
「だーいじょうぶだって、旦那!」
「・・・ふむ」
傍らで言い争う若い2人を他所に、何故か納得したかのように呟く。
きっと腕を組んでたりするんだろーな、そう思うと、少し気分が浮かれた。
「良い、幸村。佐助のことじゃ、信用しても大事ないのであろう」
「おっ!流石お館様!」
「ぬううぅ、お館様、本当に良いのでございますか!?」
「旦那ぁー、いい加減諦めろって」
「佐助ぇえ!何を・・・っ」
「えぇい幸村!修行が足りん!!!」
ばきぃっ
若い声を途中で遮って、大きな声が部屋に響く。
次いで、直ぐに何かが吹き飛ぶような音がした。
あまりに唐突だったので、音に驚いて目を開け、更に惨状を理解できずに驚く。
自分が寝かされている和室のふすまが吹き飛び、赤い衣装を纏った人が庭に倒れている。
枕の横には、迷彩柄の忍らしき人に、仁王立ちした鬼のような中年の男性。
びっくりしすぎて、目が見開いたまま硬直してしまった。
「あちゃー・・・お館様、女の子びっくりして起きちゃいましたよ」
傍らの忍がこちらに気づき、苦笑いを浮かべる。
赤い髪?に角をつけた筋肉質な体にも、二度びっくりしている千代を見て、声をかけた。
「ごめんなー、大丈夫?これ、いつものことだから」
気にしないでいいからなー
そう軽く言われても、正直何とも言えずにいた。
これって普通じゃないよね、あり得ないよね、てゆーかここどこ?等と思考が入り乱れている。
そろそろ考えすぎて許容量を越えそうなところで、殴り飛ばされた人が戻ってきた。
ぱちくりとようやく瞬きをし始めた千代に目を留め、あっという間に真っ赤になる。
着ている衣装が赤なため(上半身は裸だが)、全身赤に見えた。
「うっ・・・!」
「真田の旦那はちょっと女の子に慣れてないから、気にしないでな」
「さ、佐助ぇえっ」
「ほんとのことでしょー、ほらほら、怒鳴らないでよ旦那、怯えてるじゃん」
「幸村よ!修行が足らん!!」
まるで3人揃うだけで、コントのようだ。
初めは圧倒されていた千代だが、だんだん慣れてきたのか、笑う余裕が出てきた。
「お、笑った。やっぱ女の子は笑ったほうがいいよー」
「う、うむ・・」
「ふむ・・そうじゃな」
3人が頷き、千代は照れ笑いを浮かべた。
自分を取り巻く状況はよくわからないままだけれど、少しは救いがあると思えた。
ようやく落ち着けたところで、自己紹介をされる。
端から、
幸村に仕える猿飛佐助
信玄に仕える真田幸村
みんなの大将武田信玄、らしい。
名前を聞いても、聞き覚えがあるくらいで実感が湧かないのか、すんなり納得してしまった。
「・・・それで、君の名前は?」
そう聞かれたとき。
初めて気づいた。
「・・・っ(声が出ない・・・?)」
いきなり難題にぶち当たってしまい、血の気が一気に引いていった。
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